中世を旅する

沖縄のおばぁがいる民宿に泊まり、浜辺で寄せては消え、寄せては消えする波を見ながら
次に来る時はもうおばぁはいないのだろうなと思う。
と、突然自分は広場を見渡す石造りの建物のバルコニーにいることに気が付く。
高い、恐い。
と、広場から声がする。
昔の知り合いがキリスト教に改宗したというので、からかいに行く事にした。
「ハハっ、お前に何言っても怒らないんだろうな?え?なんてったってキリシタンだもんな!」
と、まるで北斗の拳の雑魚キャラのようなキャラ設定になっている自分がいる。
そこら中から見知らぬ人が新しくキリスト教者になった知り合いをひやかしに集まってくる。
やんややんや言いながら騒いでいるうちに、皆教会に行くのが面倒になってくる。
「面倒クセーっ!もういかねーっ。つーか、中世とかいって詰まんなくねー?娯楽もねーし、なにより臭くね?」
と、小学校卒業以来あったこともない友人に言うと
「くせぇ、ってゆーか生臭ぇ」
あー、確かに。
臭いというより魚が腐ったような生臭い感じがする。
すごく的確な表現だ。
中世は生臭いんだ。僕は妙に納得したのであった。