「やさしい」の意味

昨夜、久々にくつろぐ時間ができたので、寝転びながら本を読もうとしたところ娘にからまれた。
「おとうさん その本 みせて〜」というので、字しかないがそれでも読むのかと問うと読むと言う。
仕方がないので渡すと「この本 どこで かりたの? すばらしいねぇ〜 やさしいねぇ〜」と誉められた。
「すばらしいねぇ」という大袈裟な誉め方は十中八九、僕自身の真似でありそういうふざけた誉め方はそろそろヤメようかとも思うがたぶんやめない。でも、外で使われると恥ずかしい。
特筆すべきは後ろの「やさしいねぇ」の方で、僕は娘の「やさしい」の使い方が大好きだ。
「やさしい おとうさん だね」と相手に媚びるときに使うこともあるが、何か綺麗なもの美しいものにたいしても娘は「やさしい」を使う。
そうした際には、満面の笑みかつ柔らかい声色で、真実感心したように「やさしいねぇ〜」と言うのである。
僕はその娘の姿に何かミラクルなサムシングを観るのである。
たしか古語で「やさし」は美しいだったような気がするが、やさしいとうつくしいの間には共通の感覚があるのだろうか。