怪力乱神を語ってみる

秋も深まってきたのに怪談系ストーリー。
最近、得体の知れない現象が二つ起こった。


一つ。
娘が夜泣きをした。
かなり、夜も深い時間。
娘が泣き止まないので抱っこしてあやしていると
「ピンポーン」
呼び鈴が鳴る。
咄嗟に近所迷惑だったか、と思う。
こんな時間に怒鳴り込んでくるくらいだから
相当怒っているに違いない。
コワかったので、とりあえずドア越しに弱々しく
「はい」と言ってみる。
返事なし。
聞こえなかったかと思い、今一度大きく言ってみる。
…またしても返事がない。
なっ、嫌なヤツだ、と思い覗き穴から覗いてみる。
……
いない。誰もいない。
少し離れた所に窓があるので再度、外を確認するも敵影は発見できず。
おう?
外を歩けば足音が必ずする筈。
去っていく足音はしていない。
怒って来たなら普段よりドタドタ歩く筈だが、
それも聞いた覚えはない。
娘がギャーギャー泣いていたとはいえ、物音一つしない深夜。
聞こえてもいいはずだ。
しばらく呆然としていたが、気を取り直し
夜泣きリカバーをせず狸寝入りしていた妻に尋ねる。
「今ベル鳴ったよね?」
「うん」との答え。
うーん。こえぇ。
まぁ、リアル人間であった場合、
足音もさせずにやってきてベルを鳴らし足音もさせずに去っていく、
しかもかなりの高速で。
そんなヤツだとしたら、近日中に刺されること間違いなしなので
霊障であるとかガイストさんであるとかのほうが若干マシ。
それも嫌なので、
ご都合主義的になんか埃であるとか虫であるとかのせいだと思うことにした。
気が付くと娘はすやすやと寝息をたてていた。


一つ。
出勤前の忙しい朝。
ニュースをいつも通りみていると娘がテレビを指差して何かを訴えてくる。
いや、我が国のプレジデントたるタローちゃんだけど何か?。
そう表情で答えてあげると、一度下げた腕をまた挙げてテレビを指差す。
あぁ、だからタローちゃんでしょ?
と、テレビを確認後、娘の方へ顔を向けた途端。
バチン!
テレビが消える。
うわ、何これ停電?
そこからは朝からふざけんな!と東電に電話掛けるも自動音声対応されたり、
電気くらい止まっても、身支度できるしと思ったら
何?最近のアパートってポンプで水汲上げてるの?
水出ないし。
為す事無く、着替えだけしてるとサイレン鳴らした車が来た。
やる事が無いので見に行ったら電柱に昇って作業をしていた。
見てても仕方ないので家に戻るとしばらくして復旧。
いやぁ、良かった。
あの角の電柱で作業してたよ、なんて妻に言ったら
「あの電柱ってテレビのある方向じゃん…」
なんて言うので、僕沈黙。
まぁ、たまたまだよ。たまたま。


なんて、お話しでした。
ちなみに霊感とか言ってるやつは阿呆だと僕個人は思っております。
墓参りと初詣くらいにはたまに行きますが基本無宗教です。
手塚治虫ブッダは結構好きです。