父は弱し

母親にはどうやっても勝てないようだ。
子供は母親が一番好きで、
二番目以降とは大きな開きがあるらしい。
その上三番目以降との入れ替えは激しい。
いつも爺さん婆さんとデットヒートを繰り広げている。
世の父親の中ではかなり尽くしている方だという自負のある自分は
その事実を認めつつも、やっぱりちょっとショックだったりする。


昨日のこと、妻に抱っこされていた娘に
「こっちおいで」
と言ったところ、
「パパやだ、あっち行って」
と言われた。

別に直前に怒ったわけではない。
何もやっていない。
「あっち行って」は初めてのフレーズだ。
「パパやだ」くらいはもう何とも思わないが
「あっち行って」はちょっと泣けた。


でも、そういう事を言われてちょっと嬉しい気持ちもあったりする。
パパ、アンビバレントな三十の秋。